心霊現象の中でも、様々な現象をまとめて「ポルターガイスト」と呼んでいます。
今回ポルターガイスト現象についてと、その原因や実際にあった出来事、日本でのポルターガイストについてご紹介していきます。

パッと聞いた感じでは、西洋の心霊現象のことを指しているようにも思えますが、実は日本でもポルターガイストと思われる現象が起こっていたのです。
ポルターガイスト現象とは?
主なポルターガイストの現象としては、特定の場所で起こる原因不明な現象のことを指します。
もしかしたら、あなたの身の回りにもポルターガイストが発生しているかもしれません。
ポルターガイスト現象について、詳しくご紹介していきます。
ラップ音・発光
代表的なポルターガイスト現象は、ラップ音や発光です。
誰もいないはずの部屋から突然パチパチと音がしたり、もしくは何かが発光したり、電気が勝手に付けられたりなどです。
これだけでもかなり怖い現象ですが、これらの現象に規則性がなく、家主や観察者のいるいないに関わらず発生します。
またこれらの音は何かを叩く音ではない、どこからともなく聞こえる場合もあります。

寝ている間にラップ音がしたら起こされてしまいますし、気になって眠れませんね。
なぜか物が動きだす
ラップ音や光だけではなく、物が動きだすということもあります。
通常であれば、動くはずのないものが動くということですね。
家に置いてあるような、小物類から大きいものでは家具などまで、様々な物が動きだすという記録が残されています。
「動くとは思えない物が動く」というのも非常に怖い現象ですね。
また場合によっては動いたものに激突する、といった危険が伴うことも考えられます。
物が飛ばされたりすることも
さらには物が飛ばされるということも、ポルターガイストによる現象のひとつです。

動きだすだけではなく、飛んでしまうのは非常に危険ですね。
またその飛ばされる物の大きさや重さも様々で、小物などの小さな物から少女や家具などの大きな物まで、ポルターガイスト現象では飛ばされてしまうようです。
いずれの現象もすべての現象が同時に発生するということではありません。
場所によってはラップ音だけであったり、動くだけであったり、または全てのポルターガイスト現象が同時に起こったりと、一貫性が無いというのも特徴です。
ポルターガイスト現象をクイックシルバーと呼ぶことも
西洋では上記のようなポルターガイスト現象を、クイックシルバーと呼ばれる女性の霊の仕業とする伝説も残されています。
クイックシルバーの場合は、深刻な被害を出したり、傷つけたりするのが目的のポルターガイストではなく、ちょっとしたイタズラ目的のものが主だとされています。
ドアを音を立てて閉めたり、水道を勝手にひねって水を出したりし、そのイタズラを行うときに笑い声を立てるというのです。
また、自分の名称「Quicksilver」のイニシャル「Q」を、家のどこかに残すとされていて自分の存在を知らしめようとしている節もありますね。
男性の霊の場合にはポルターガイスト、女性の霊の場合にはクイックシルバーと分けている説もあります。
実際にあったポルターガイスト現象
ポルターガイスト現象についてはご紹介しました。
こういうような類の話では、必ずインチキ話がまとわりつきますが、複数の人が同時に目撃している話もあるのです。
謎のポルターガイスト現象の、有名なものについてご紹介していきます。
映画化もされた「エンフィールドのポルターガイスト現象」
「死霊館 エンフィールド事件」の映画の元となったのが、このエンフィールドで起こったポルターガイスト現象です。
事件は、1977年のイギリス、エンフィールドで始まりました。
母親とその子供4人が住んでいた家は、少々離れた場所にあったのですが、ある日からポルターガイスト現象に悩まされることになります。
最初は家具が動く音(実際には動いていない)や、ノック音などがし始めました。
この頃に、婦警の1人がすでにポルターガイスト現象を目撃しています。
エスカレートするポルターガイスト現象
その後はポルターガイスト現象がエスカレートしていき、積み木や枕などが家の中をぐるぐると飛んでいき、ついにはその家の子供であるジャネットまでもが飛ばされてしまいました。
パイプが剥がれる、壁を何かがすり抜ける、ボヤが起きる、家具が積み上げられるなど多くの現象が発生し、専門家が調査することとなります。
ジャネットが男性と思しき声で、数時間の間話をしたという現象もありました。
とても少女が話す内容ではなく、複数の名前を名乗っていたそうです。
エンフィールドでのポルターガイスト現象は複数の人が目撃しており、写真や動画にもその様子が撮影されています。

出典:カラパイヤ
これらのことから、インチキではなく謎の現象の信ぴょう性が高いとされていましたが、ある日パッタリと現象が止んだのです。
降霊ブームのきっかけ「フォックス姉妹」
ハイズビル事件と呼ばれることもある、このフォックス姉妹は1847年に両親とともにハイズビルに越してきました。
3姉妹でしたが、この引っ越し時にはすでに長女は結婚していたため、次女と三女のみが両親と共に暮らしていました。
ですが、引っ越しから3ヶ月もしない内に、一家は奇妙な音に悩まされることとなります。
木を叩くような音であったとされています。
「家族の誰かが交信してみよう」ということで、母親が試みるも失敗。
その後姉妹が交信を試みると、成功しました。
ここから霊との交信が始まるのです。
霊との交信

姉妹は当時11歳と9歳ほどでしたが、よく霊との交信ができましたよね。スゴイ度胸のある姉妹です。
交信をするにあたり、近所の人たちを集めて大人数の中行われました。
質問に対して、霊がイエスなら1回音を立て、ノーなら2回音を立てるという内容でした。
そうして交信が始まりましたが、次第に文章を作るようになっていきました。
1人がアルファベットをABC…と喋り、その間該当する箇所で音を立てて、1文字ずつメッセージを読み解くという方法で、霊からの言葉を解読していきました。
すると、霊は5年前その家で殺害された男性でチャールズ・ロズマと名乗りました。
彼は強盗に襲われてお金を奪われ、地下に自分の死体を埋められたと語りました。
次の日さっそく地下室を掘ってみますが、水が出てしまったため中断され、翌年に再開されました。
するとなんと骨の一部と毛髪が発見されたのです。
しかしながらこの時には発見された量が少ないために事件とはされませんでした。

Wikipediaより:フォックス姉妹
56年後に急展開を迎える
その後56年経ったある日この地下室に忍び込んで遊んでいた少年たちが、崩れた壁から1人分の人骨を発見します。
これによってフォックス姉妹の降霊が裏付けされたのです。
フォックス姉妹は降霊ブームによって注目されますが、一度はトリックだったと暴露します。
ですがその後トリックは嘘で、「すべては真実であった」と発表しています。
日本で起きた新聞に掲載された「家鳴り(やなり)」
1901年の二六新報では、以下のような記事が掲載されました。

二六新報は休刊・他社との吸収合併を繰り返し最終的には日本経済新聞社に吸収された新聞社なんですよ。ただ今その名残はありませんが…
明治33年(1900年)1月。東京府本所区(現・東京都墨田区)表町の長屋で、影山丈作という住人の妻チウが長女を出産。翌年に次女を出産したが、生後2日目に次女が死亡、その初七日に長女も急死。さらに四七日の日にチウが死亡。立て続けの不幸で丈作は出費がかさんで借金が重なり、到底返済できずにいるところへ、債権者が詰めかけて来て次々に家財道具を持ち去ってしまった。丈作は泣く泣く、どこへともなく姿を消した。
以来、その長屋では夜な夜な、丑三つ時になると家鳴が起きるようになり、住人たちは我先にとほかの地へ引越しを考えるようになった。この家鳴の原因は、丈作が失った家族3人の怨霊の仕業と噂されたという。
引用 : wikipedia「家鳴」
このように、日本ではポルターガイストではなく家鳴り(やなり)というように呼ばれて、実際に発生していたとされていますね。
ポルターガイスト現象を引き起こすと考えられている原因とは?
ポルターガイスト現象の原因として考えられているものをご紹介します。
実は多くの原因があり特定されていません。有名な原因をご説明いたします。
人の心の不安定さが原因とする説
ポルターガイスト現象が起こるのは、心がまだ不安定な思春期を迎える少年少女がいる家に起こることが多いとされています。
思春期などから起こる心の不安定によって、「物が勝手に動いた!」「音がする!」「気がついたら吹き飛ばされていた!」といった混乱が生じているだけの可能性もあります。

幼少期から思春期にあるような現実と夢のような出来事が混乱してしまっている状態です。
だたし上でご紹介したクイックシルバーの現象は、子供のいない家でも発生するとされています。
建物の原因によるもの
新築の家の場合は、まだ素材などが馴染んでおらず家がパキパキと鳴ることが起こります。また老朽化による軋みもあるでしょう。
誰しも家が鳴るという経験があるのではないでしょうか。
これらの建物の原因や、場合によっては水道管などが原因となっている場合もあるようです。
思いもよらない部分が原因だと判明しにくいですし、原因として特定できないままのこともありそうですね。
心霊現象
上でご紹介したフォックス姉妹などは、霊と交信していることから心霊現象による可能性が高そうですね。
姿が見えないと怖く思ってしまいますが、霊が何かを伝えようとしてポルターガイスト現象に繋がっているのかもしれません。
日本では家鳴り(やなり)として昔から知られていた
上で新聞記事としても触れましたが、日本でもポルターガイスト現象に似たものとして家鳴り(やなり)として知られている現象があります。
家鳴り(やなり)の伝承は日本中にあります。
家のきしみ音が家鳴り
基本的な家鳴りとしては、木造の住宅などが経年によって木材の乾燥が進みパキパキと音を立てるということがあります。
ただし、どうもそれだけでは説明がつかないような現象もあったようです。
古くは日本書紀にも記述があり、釜が勝手に鳴り始めて、1つ鳴ったり8つ同時になることすらあったそうです。
別の江戸時代「太平百物語」の中では、肝試しをしようと複数人の男性で集まり、幽霊屋敷に泊まってみたところ、家が揺れたそうです。
この揺れは家の外では起こっておらず、地震とは違うとされています。
家だけが揺れるというのは、なかなか恐ろしい現象ですね。
小さな鬼の仕業と考えられていた
当時は、小さな鬼のような物が音を出したり家を揺らしたりしていると考えられていたようです。
クイックシルバーと似たような考え方ですね。イタズラ程度の現象が主だったようです。
ポルターガイストを題材にした映画

ポルターガイストを題材にした映画もご紹介していきます。
実際の事件を元に映画化されているものもありますので、迫力があります。
ではみていきましょう。
『ポルターガイスト』シリーズ
スティーブン・スピルバーグのホラー作ですね。
1982年に最初の映画が公開されて、全3部作となっています。
物語は放送終了しているテレビと会話をしている娘を発見することから始まります。
そのテレビから、幽霊のような物が出てきて、ポルターガイスト現象を起こします。
一家の戦いが描かれていきます。
死霊館 エンフィールド事件
2016年に公開され死霊館シリーズと呼ばれている映画です。
上でもご紹介した、エンフィールド事件を元にして作られています。
心霊研究家であるエド&ロレイン・ウォーレン夫妻が、エンフィールド事件に立ち向かっていくストーリーとなっています。
心霊史上、最恐とも呼ばれている作品です。
ポルターガイスト現象 まとめ
ポルターガイストとひとことで言っても様々な現象がありましたね。
もしかしたら、アナタの家でも何らかの現象が起こるかもしれません。
なんて思うと怖くなってしまいますが、実際は心霊現象ではない建物の原因が多くありそうですので、気にしすぎないのが良いかもしれませんね。
【参考サイト】
wikipedia
karapaia
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