未解読文字は地球上に多数存在しています。
読み方が分からない、それらの文字に、何らかのメッセージが隠されていることには、恐らく間違いがありません。
ここでは、未だ詳細不明のファイストスの円盤の謎に迫っていきたいと思います。
詳細をまとめて見ていきましょう。
ファイストスの円盤とは?
ファイストスの円盤は、名前に円盤と入っていますが、UFOなどの類ではありません。
1908年にクレタ島のファイストス宮殿で発見された、謎の未解読文字が書かれている石板です。
ファイストスはミノア文明の頃に、クレタ島に存在していた古代の都市です。
他の都市と同盟を組んだり、水洗のトイレがあり、独自の通貨を持っていたなど、平和でありながら様々な技術もあったようです。
ファイストスの円盤が見つかったファイストス宮殿は、紀元前2000年ごろに建設されたと見られ、3回は破壊されていているようです。
2回は修復されて使用されたようですが、3回目以降は修復されませんでした。
現在ファイストスの円盤は、クレタ島にあるイラクリオン考古学博物館にて一般公開されています。
粘土の紐で作られた円盤状のもの
円の直径は16cmで、厚さは2.1cm、日用品に例えるとコースターのような形をしています。
粘土の紐で作られていて、渦巻き状に巻かれています。
紀元前1600年ごろに、火災に遭ってしまったとみられており、焼かれた状態で発見されました。
他に出土している石板などが見つからず、このファイストスの円盤のみが残されている状態です。
裏表どちらにも文字が書かれていて、発見当時に上側になっていた面をA、裏面がBと呼ばれています。
ファイストス宮殿内が破壊され、火災に遭っても、ファイストスの円盤のみが残っていた、というのは神秘的な感じがしますね。
映画などに登場しそうな設定とすら感じられます。
手書きではない
ファイストスの円盤に書かれていたのは、手書きのものではありませんでした。
当時の近郊文明では、文字が使われることがあっても、粘土などに手書きを行うのが通常でした。
ですが、ファイストスの円盤に使われているのは、印鑑のようなものを使って粘土に押し当て、正確に書かれているのです。
このことから、最古の印刷物と称されることもありますが、印刷物かと言われると厳密には違ってきます。
手書きではないことに何らかの意味があるのか、それとも普段から手書きで行っていることは少なかったのか、いずれにしても謎が深まります。
謎の未解読の「クレタ聖刻文字」が書かれている?
ファイストスの円盤に書かれている、未解読文字は未解読というだけあり、言語不明の文字が書かれています。
発見された部屋には、クレタ聖刻文字の線文字Aが書かれている石板が、たくさん置かれている状態だったそうです。
ですが、それらの文字と、ファイストスの円盤に書かれている文字との関係性は不明です。
いずれも未解読文字であり、書かれている言語がミノア語なのか、純正クレタ語なのかも判明していません。
分かっていない部分が多いのですが、クレタ聖刻文字が関係している可能性はあるかもしれません。
解読できないクレタ聖刻文字
クレタ聖刻文字について、もう少し詳しく見ていきたいと思います。
ファイストスの円盤に書かれている文字と、クレタ聖刻文字との関係性については不明ですが、発見された場所には線文字Aが書かれた石板が多く残されていました。
単に、何かの取引などを行った記録の可能性もありますし、もしかしたら記念的なものや、歴史を残すために残されていたのがファイストスの円盤だったのかもしれません。
クレタ聖刻文字は、紀元前1900年以降から使われていたと見られる文字で、ファイストスの円盤に書かれている文字と関係性があるのでは?と考えられています。
ファイストスの円盤の文字個数は241個
では、ファイストスの円盤の文字に戻っていきたいと思います。
A面・B面があり、どちらにも文字が書かれていて、文字の種類としては両面合わせて45種類、総個数は241個にものぼります。
16cmもの粘土板に、かなり多くの文字が書かれていますね。
円盤に書かれている文字は、絵文字のようなもので、人のようなものや動物のようなものが書かれています。
独自の文字の可能性
クレタ聖刻文字と関係しているのではとされていますが、全く違う独自の文字の可能性もあります。
また、クレタ島自体では音節の絵文字が使われていて、他にもいくつかの文字体系がありました。
時代によって様々な使い分けがなされていたようで、そのうちの文字の可能性もあります。
印鑑のようなものを使って書かれている点から、多く使われていた文字なのではないかと推測もされています。
独自の文字なのか、どうなのかはハッキリしません。
解読できたとする人が多い
未解読文字を解読できたとする人は、この手の話には数多くいます。
ですが、現在のところは解読できたと確認されている人はいません。
解読できたとする人の中には、本当に解読している人もいるかもしれませんが、現在でも未解読文字とされています。
これまでに、何人もの人が解読に挑戦しているかと思いますので、簡単に解読することは難しそうですね。
新たに発掘されないと解読不可能とされている
ファイストスの円盤に書かれている文字が不明のままなのは、見つかっているものが少なすぎるという点もあります。
何しろ、ファイストスの円盤に書かれている文字は45種類、総数241文字のみです。
これだけでは、文字全体を理解できるまでには至らず、新たにこの文字が書かれている何かが発掘されないと、文字の解析は進まないとも言われています。
これだけしかない資料で、文字の全体像を知ろうとするのは難しいですね。
同じ文字が書かれていなくても、何かしらヒントになるようなものが発掘されたら、状況を変えられるかもしれません。
現在ではまだ見つかっていません。
ファイストスの円盤の文字の読み方とは?
では続いて、文字の読み方について見ていきましょう。
渦巻き状に書かれているファイストスの円盤ですが、そもそもこの文字の読み方はどうなっているのでしょうか?
内側、外側から渦巻き状に読む?
ミノア文明の頃にあった、クノッソスは当時のクレタ島の中心的な街でした。
このクノッソスにも文字があり、音節を使ったもので、読み方は決まっていませんでした。
また、渦巻き状に読むものも存在していたそうです。
もしかしたら、ファイストスの円盤の読み方も、同じように渦巻き状に読むのかもしれません。
文字の向きを考えると、内側か外側から読むのが妥当かと思われています。
ですが、同じく未解読文字のロンゴロンゴ文字などは、一行ごとに上下を逆さまにしていることもありますので、現代の感覚とは全く違う読み方の可能性もあります。
区切りがある
ファイストスの円盤に書かれている文字は、内側(もしくは外側から)ぐるぐると紐の線に沿っていて、ところどころ部屋のように区切りがされていて分れています。
1文字のみで区切られている場所や、7文字ほど区切りの中に入っている場所などがあり、規則性が分かりません。
この区切りに意味があるのか、文法的に必要なものなのかなど、疑問は尽きませんが、このような区切りが存在しています。
音節文字だとしたら、1文字の区切りなのかもしれません。
考え出したらきりがありませんが、この区切りにも何らかの意味があるかもしれません。
ファイストスの円盤に書かれた内容
ファイストスの円盤に書かれている内容は、基本的に分かっていません。
ですが、全てが分かっていないのではなく、消去法によって推測されていることがあります。
それについても触れていきたいと思います。
商取引に関することではない
書かれている文字に、数字と思しきものや規則性が少ないことから、おそらく商取引に使われたものではないとされています。
もちろん、ハッキリしていることではありませんが、商取引の記録などであればもう少し規則的なのではないかとされています。
また、当時のクレタ島では音節文字が使われているのは、宗教的なもの、あるいは王からの命令などのものに使われていたのです。
ですので、ファイストスの円盤も宗教的な内容、あるいは王からの命令などの可能性は高いとされています。
輸入されたものの可能性もある
突然このファイストスの円盤だけが発見された、という点から、違う国などより輸入された品なのではないかとする可能性もあります。
このような理由であれば、近郊の文明に似た特徴の文字がないのもうなずけます。
また発見されていない、過去の文明の中にファイストスの円盤の文字を使っていた文明があるのかもしれませんね。
解読されていない他の文字
ファイストスの円盤に書かれている文字以外にも、解読されていない文字はたくさん存在しています。
ここでは、有名な未解読文字についてご紹介していきたいと思います。
ロンゴロンゴ文字
上でも少し触れましたが、ロンゴロンゴ文字も未解読の文字として有名です。
19世紀にイースター島にて発見された文字で、一部の特別な人たちだけがロンゴロンゴの文字を使うことができたと言われています。
ですが、懐疑的な見方もされていて、1800年後半にヨーロッパ人たちの接触後に、人為的に作られたのではないかとする見方もあります。
いずれにしても、ロンゴロンゴ文字は解読されていません。
ヴォイニッチ手稿
このサイトでも、以前ご紹介しているヴォイニッチ手稿ですが、ここに書かれている文字も、未解読文字です。
また、挿絵も奇妙なものが多く、見たことないような植物や女性が複数でお湯に入っているような絵が特徴的です。
並行世界のものとすら噂されている手稿です。
詳しくは以下のページで紹介しています。
【ヴォイニッチ手稿の謎】架空なのか並行世界のものなのかその謎に迫る
まとめ
ここまで、ファイストスの円盤についてご紹介いたしました。
多くの謎を持っている円盤ですが、きっといつの日か解明される日が来るのでしょう。
一般公開されていますので、内容を自分で解読してみるのも楽しめるかもしれません。
ぜひ、世界の神秘に触れてみてください。
【参考サイト】
wikipedia
ファイストスの円盤(wikipedia)
クノッソス(wikipedia)
クレタ島(wikipedia)
絵文字(wikipedia)
未解読文字(wikipedia)
ファイストス(wikipedia)
クレタ聖刻文字(wikipedia)
ミノア語(wikipedia)
純正クレタ語(wikipedia)
ロンゴロンゴ(wikipedia)
ヴォイニッチ手稿(wikipedia)
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